中3数学②~ケアレスミス事例集~

<前回の続き>

ケアレスミスをポロポロやる生徒たち。
このままでは入試も厳しいことになるな…と頭を抱えたその瞬間、あるひらめきが。

私は生徒にホワイトボードに書いた問題をやっておくように指示して急いでパソコンに向かいました。

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「できたっ!」

うん、ワードで急いで作ったけど、なかなかいい出来栄えだ。

私は生徒全員分のコピーを用意してから皆の前に立って言いました。

「今回もポロポロポロポロとケアレスミスが目立つねえ!おい、〇〇!お前はミスしたら命を取られる!ぐらい思ってやってんの?いくらなんでも間違い過ぎだって!」

手前に座る女子に向けてやや強めに言うと、その子は苦笑いしながらシュンとなりました。

「ああ、ごめんごめん。こういうのが怖いんだったな…

え~っとなんだっけ、確かオレの見た目が怖くて?

質問しようとすると『こんな問題もできないのか』っていう視線を送って?

そしてオレはお前に教えるとき『絶対こいつ馬鹿だな』と思うらしいね。いや~まったく…サイテーの先生だ」

女子は「いや、違います」と笑って恥ずかしそうに答えるも再度たたみかけました。

「ゴメンね~。でも大丈夫!
オレ…、今度整形手術しようと思うんだ。
真田先生みたいに垂れ目で二重まぶたのクリクリお目めにね。
この一重で切れ長の目がイケナイ」

クラス全体が笑う中、「ところで!」と話を戻しました。

「ケアレスミスの話!

どいつもこいつもさ~、やり方は知っているはずなのにどうしてこうも軽率にミスしてしまうんだろう…と思ってるときに閃いたの!

話は変わるけど、みんなは絶対にケアレスミスを起こしてはならない職業、その業界って何だか知ってる?」

突然のクイズにある男子は答えました。「お金がからんだ職業?」

「なるほどね。ただお釣りを間違っても、ちゃんと謝って正しい金額を渡せばなんとか許してもらえるんじゃないかな」

次に別の意見。「建築?」

「ほう、確かに設計ミスがあっては大変だ。ただ命に関わるというほどのものじゃない。

正解はね…、医療と航空業界なの。万一のケアレスミスも許されない。命に直結するからね」

みんながふうんとうなずく中、話を続けました。

「で、ここではどういった対策を取っているかというと…

過去に起こった人為的なミスを全てファイルにまとめてね、従業員みんなで共有するんだ。

他人がやったミスはそのうち自分にも起こる可能性があるでしょ?

しかもね、さらに驚いたのは医療業界と航空業界でこのファイルを交換しているってことさ。

お互い全然違う業種なのにね。

参考になる部分があるかもしれないといってそれだけ注意深くリスク管理しているんだな」

へえ~と感嘆の声が上がる中、私はひと際大きい声を上げました。「そ・こ・で!」

「これだ!

今日のお前たちのをマル付けしていたら、まあ多種多様な間違いが現れたの。

入試もある意味絶対にミスは許されないでしょ?そこで閃いた。

せっかくだから塾でも同じようにミスを集めた事例集を作ろうと。それがこれ。門外不出だよ」

私はそう言って生徒らに<ケアレスミス事例集>を配りました。

「他人に起こった間違いは自分にも起こる可能性があるでしょ?

だからこれを部屋の壁に貼って、当分の間、見続けてほしいな」

その後、各自に計算ミスの間違い直しをさせて、ホワイトボードに書いた問題の解説へ―

続きは次回!