数学・図形問題を解くカギ①

中3冬期講習は毎回受験生みんなの弱点である図形問題からスタートします。

そんな中、なかなか補助線が閃かない生徒が数人。

また、線は見えていても答えが間違っている生徒が数人いて私は毎度頭を抱えることになります…。う~む…

私はいつもの通りダイレクトに答えを言うのではなく、遠いヒントを出しました。

「まずはこの扇形の中心角を求めてみよう!」

すると「そこは出してるんですけど答えが…」とある男子。

「え~?ここを求めておいてゴールまで行けない?それはないだろう…」

不思議に思いながらその男子のノートを見ると…

…分かった。

図形問題を解くときに最もやってはいけないことをやっちゃっている。

もう何度も言ってるんだけどなあ…。

…あの話をするか…

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それは自分が中2の頃の話。

どこかで仕入れてきた図形問題の超難問をひたすらに、それこそ三日三晩は考え続けただろうか。

それでも解けなくて、

でもどうしても答えを知りたくて、

悔しいけどもう先生に聞くしかない!と思って職員室に行きました。

するとちょうど自分のクラスの数学担当である茂木先生がいました。

その先生は見た感じ30代後半だったか、授業は面白いし明るいし、生徒から大変人気のある男の先生でした。

先生はおどけながら、「工藤が三日悩んだ問題?じゃあ俺には解けないよ」と笑うも、徐々に問題に入り込み、30分くらいじっと考え続けました。

私は先生が言うように、自分が三日間懸命に考えて答えが出ないんだからそう簡単に出してもらっちゃあ困る…という思いで返答を待ちましたが、結局その日は先生も閃かずに保留。

先生は「明日には!」と言って問題を持ち帰りました。

で、翌日の放課後。

再び先生のもとを訪れると、先生は明らかにギクッとした表情で「いや~考えたんだけど難しいなこれ!」と苦笑い。

ホントに考えたの?とちょっと疑うも、自分で無理なんだからやっぱり先生にも無理なんだろうな…

そう思ってあきらめ引き返そうとしたその時、別のクラスの数学を担当している髙橋先生が目に留まりました。

その先生は小柄で地味な女の先生でまったく目立たない存在、生徒からも空気のように思われていた人です。

(仕方ない…あの先生に聞いてみるか…)

私は1ミリも期待せずに自分が書いたノートを先生に見せて言いました。

「すいません、○組の者ですが、先生に数学の質問があります…」

「なあに?」
先生はニコッと笑って私のノートに目を落とすやいなや、すぐに真顔になって言いました。

「工藤君、これじゃあダメよ」

なに?オレの名を知っている?
しかもこれではダメだって?
い…一瞬で何が分かる。

あまりに予想外の展開に驚くも、先生の目は真剣。

ってことは何?
先生は一瞬で答えが分かったってのか?

色々な思いが交錯してワケの分からぬまま棒立ちになっていると、先生は言いました。

「図形というのはね…」
(つづく)