湿った木に点火したい②

<前回の続き>

中3の前でする、一高生とのこれ見よがしな会話はまだまだ続きます。

「で?この夏の時期はどのぐらいやってたの」

「ええ~…」彼はしばし天井を見上げました。

「何時間かは忘れたけど、結構やってましたね。ここから出される夏期講習の宿題が大変で…」

CIMG0982.jpg

「全部終わったんだっけ?」

「数学が2ページだけ終わってませんでしたけど…」

「それならほぼコンプリートじゃん」

「…ですかね。とにかく大変でした」

ほらほら聞いたか~?課題が半端な野郎ども。

志望校に合格するにはこちらが言ったことぐらいきちんとクリアしなければならないのだ。分かったか。


「いま、一高は宿題が出ないんだよね」

「ああ、ハイ、ほとんどないですね」

「で?今お前がやっているそれは化学かな。それは宿題?」

「あ、半分が課題で半分が自主的というか」

「ほう!自主的ね!そうだよな。自分でやるよな。
だいたい人から言われないと勉強しないなんて奴はそもそも一高に来んな!っつう話でさ」

またチラッと中3を一瞥。
サボり男子たちは恥ずかしそうに苦笑い。

「なのに、こいつらときたらさ。
半チクなくせに『一高』とか言ってんだからさ…
お前からもこの半端者になんか言ってやってよ」

「う~ん…」

男子はアゴに手をやって再び天井を見上げた後、控えめに口を開きました。「やっぱり勉強しないと下がるよ」

(おお!グ~~~~~~~ッド!
お前はなんていい奴なんだ!)

歓声をあげたい気持ちをぐっとこらえながら、私は相槌を打ちました。「そっか~、やっぱりやんないと下がるか~」

「ですね~。もっとも教科書読めば一発で分かるよなんて言ってるすごい人も一高にはいますけど…でも、それは置いといて。

普通はやんないと下がります」

(グ~~ッド!グ~~ッド!も~~っと!)

「え?やんないとナニ?」

「え?ああ、やんないと下がります」

(もっと!もっと!)

「さが…ナニ?」

「下がります」

(ありがとう~~~パチパチ)

「だよな~。ったく…勉強しろっつの。天下の一高はそういう者の集まりなんだよっ!勉強しない奴なんていらねえって。目ざわり。来んなっ!」

ああ、気持ちいィ~~~

すでに私の心は、「ですよね、親分!」と、ボスの露払いを務める若い衆。

ささっ、ボスッ!
ここは、どうぞもっとこやつらに!
ビシッと言ってやっておくんなせえ!

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そこから30分ぐらいみんなでいろんな話をしました。

私の経験的に、お尻に火がつくきっかけ、タイミングは人それぞれで、これをすればやる気が出る!なんて特効薬はありません。

彼らが今日どう思ったのか、それを今後どう生かしていくのかは分かりませんが、

なるべくこういう場を設けていくことが大事なんだろうなと思います。

さあ、これからこれから!